長野防水工事の相談室

ウレタン防水の特徴と施工方法|メリット・デメリットを徹底解説

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法で、屋上やベランダ、バルコニーなど多くの建築物で採用されています。その柔軟性と施工の容易さから、複雑な形状の場所にも適用可能です。

ウレタン防水とは?

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を下地に塗布し、硬化させることで継ぎ目のない防水層を形成する工法です。
この方法は、複雑な形状や障害物が多い場所でも施工が可能で、シームレスな仕上がりが特徴です。

ウレタン防水の主な特徴

ウレタン防水の工法とその違い

ウレタン防水には主に以下の2つの工法があります。

密着工法

下地に直接ウレタン樹脂を塗布する方法で、以下の特徴があります。

通気緩衝工法

下地と防水層の間に通気緩衝シートを挟み、内部の湿気を逃がす工法です。

以下の表に、各工法の特徴をまとめます。

工法名 メリット デメリット 耐用年数 費用相場(㎡あたり)
密着工法 コストが低い、施工が容易 下地の影響を受けやすい、耐久性がやや劣る 約10年 約3,000~5,000円
通気緩衝工法 下地の湿気対策、高い耐久性 コストが高い、施工期間が長い 約13~15年 約4,500~6,500円

ウレタン防水のメリットとデメリット

メリット

デメリット

ウレタン防水の施工手順

一般的なウレタン防水の施工手順は以下の通りです。

  1. 下地処理:​高圧洗浄や補修で下地を整えます。

  2. プライマー塗布:​下地と防水材の密着性を高めるための下塗り材を塗布します。

  3. ウレタン防水材塗布:​ウレタン樹脂を複数回に分けて塗布し、所定の厚さの防水層を形成します。

  4. トップコートの塗布
     ウレタン防水層を紫外線や風雨から守るために、仕上げとしてトップコートを塗布します。これにより、耐久性がさらに向上し、長期間にわたって防水性能を維持できます。トップコートには遮熱性能を持つ製品もあり、夏場の屋上温度の上昇を抑える効果も期待できます。

  5. 乾燥・硬化期間の確保
     ウレタンは湿気硬化型の材料が多く、塗布後に空気中の湿気を取り込みながら固まっていきます。通常は中塗りと上塗りの間に4~6時間、全工程後には24時間以上の乾燥時間を設けるのが理想です。この期間に雨が降ると、硬化不良や膜の剥がれの原因になるため、天気予報を十分に確認して施工スケジュールを立てましょう。

ウレタン防水の耐用年数とメンテナンス時期

耐用年数は約8~10年が目安。トップコートの再塗装で延命可能

ウレタン防水は、施工からおよそ8~10年程度がメンテナンスの目安とされています。
ただし、トップコートを定期的に再塗装することで、防水層自体の寿命を15年ほどまで延ばすことも可能です。

こんな症状が見られたらメンテナンスを検討

  • 表面の色あせ・チョーキング(手で触ると白い粉がつく)
    紫外線による劣化が進んでいます。トップコートの再塗装が必要です。

  • ひび割れや膨れ
    下地からの水分や施工不良の可能性があり、再施工が必要な場合も。

  • 水たまりができる
    勾配不良や排水不良が疑われます。軽微であれば部分補修で対応可能です。


ウレタン防水が向いている建物・場所

ウレタン防水は狭小・複雑な場所に最適。戸建てのベランダや集合住宅の廊下にも◎

ウレタン防水は「塗る」工法のため、形状に合わせて自在に施工できるという強みがあります。
以下のような場所では他の工法よりもウレタンが適していることが多いです。

ウレタン防水に適した場所・環境の具体例

  • 狭いベランダや手すりの周囲
     → 複雑な構造にも対応でき、継ぎ目ができないので雨漏りリスクを減らせます。

  • 屋上の機械や配管が多い場所
     → 機器を避けながら施工できるので、工事範囲を最小限にとどめられます。

  • 既存防水層の上から塗れる場所(かぶせ工法)
     → 解体費が不要なため、コストを抑えた改修が可能になります。


他の防水工法との比較

工法 耐用年数 施工性 コスト(㎡) 特徴と用途例
ウレタン防水 8~10年 ◎(自由度高い) 3,000~6,500円 複雑な場所・狭小スペースに最適。コストと性能のバランスが良い。
FRP防水 10~12年 △(硬化が早い) 4,500~8,000円 軽量で高強度。バルコニーや屋上向け。滑りやすさに注意が必要。
アスファルト防水 15~20年 ×(設備必要) 5,000~8,500円 大規模建物向き。耐久性は高いが、においや煙が出る。
シート防水 10~15年 ○(下地次第) 4,000~7,000円 工期が短く、マンション屋上など広い面積に適する。

ウレタン防水を成功させるためのポイント

信頼できる施工業者選びが、仕上がりと耐久性を左右する

ウレタン防水は職人の技術力が結果に大きく影響するため、施工会社の選定が極めて重要です。
見積もりの内訳が明確かどうか、過去の施工事例があるか、保証内容はどうかなどを必ず確認しましょう。

施工前に確認しておきたいチェックリスト

◆施工箇所の下地状態は?補修が必要か?
◆密着工法と通気緩衝工法のどちらが適しているか?
◆雨天時の対応や延期の判断基準は?
◆トップコート再塗装のタイミングはいつか?


まとめ|ウレタン防水はコスパ重視で防水性も高い人気工法

ウレタン防水は、柔軟で扱いやすく、他の工法に比べてコストパフォーマンスが高いのが特徴です。
特に狭いベランダや入り組んだ屋上などには非常に適しており、多くの建物で採用されています。

ただし、耐久性を維持するためには定期的なトップコートの再塗装下地の点検が欠かせません。
長期的な目線で建物の防水性能を守るためにも、信頼できる業者とともに、しっかりとしたプランで施工・メンテナンスを行いましょう。

こんな方にウレタン防水はおすすめ!

  • ベランダや屋上の防水工事を低コストで行いたい方

  • 配管や段差の多い場所をしっかり防水したい方

  • 既存の防水層を活かした改修を検討している方

  • 自分の建物に最適な工法がわからない方(専門業者への相談推奨)

ウレタン防水を上手に活用すれば、大切な建物を長く、安心して使い続けることができます。
ご検討の際は、ぜひこの記事を参考にしてください。