BLOG

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 上田市
  4. サーモグラフィーの色分けをわかりやすく解説|赤や青の意味を正しく理解する

サーモグラフィーの色分けをわかりやすく解説|赤や青の意味を正しく理解する

「この赤い部分は危険?」「青く映っているところは冷たいの?」
サーモグラフィーで映し出される“色”には、確かな意味があります。

しかし、いざ実際の画像を見ると――
赤や黄色、青や紫などが入り混じり、「どこをどう見ればいいの?」と戸惑う人も少なくありません。

サーモグラフィーの色分けは、目に見えない温度の差を一目で理解するための“言語”のようなもの。
その原理を理解すれば、建物の断熱不良、水漏れ、電気設備の異常、さらには人体の発熱箇所まで、驚くほど正確に読み取ることができるようになります。

本記事では、「サーモグラフィーの色分けの仕組み」「代表的なカラーパレットの種類」「読み方のコツ」までを、専門知識がなくてもスッと頭に入るように解説します。

サーモグラフィーの色分けとは何か

サーモグラフィーとは、物体の表面温度を“色”として表示する赤外線カメラのことです。
目に見えない赤外線を検知して、温度の高低を“色のグラデーション”で可視化します。

この「色分け」は、ただの見やすさではなく、温度情報そのものを表しています。
たとえば、赤い部分は温度が高い、青い部分は温度が低い――という具合に、温度差を瞬時に判断できるよう設計されています。

ただし、表示される色は絶対的なものではなく、カラーパレット(色構成)設定によって異なるという点がポイントです。

色分けの基本原理|赤外線を温度データに変換して表示する仕組み

サーモグラフィーの色分けは、以下のような手順で作られています。

  1. 赤外線を検出
    カメラのセンサーが、物体から放射される赤外線の強弱を捉えます。
    温度が高い物体ほど多くの赤外線を放出します。
  2. 赤外線の強度を温度に変換
    センサーが受け取った赤外線量を、温度データ(数値)に変換します。
  3. 温度データを色に置き換える
    カメラ内部のソフトウェアが、温度の高低を色で表現。
    一般的には「高温=赤、低温=青」というルールが使われます。

この変換処理によって、肉眼では見えない温度分布が“色の地図”のように浮かび上がるのです。

サーモグラフィーの一般的な色分けパターン

多くのサーモグラフィーカメラでは、下記のような「温度と色の対応」が基本となっています。

温度帯 表示される色 イメージされる状態
高温 白・赤・オレンジ・黄色 熱源・発熱部・断熱不良・人体の表面温度など
中温 緑・黄緑 常温・正常な部分
低温 青・紫・黒 冷気・漏水・結露・断熱良好な箇所など

例えば、建物の外壁をサーモグラフィーで撮影した場合、赤い箇所は熱が逃げやすく、青い箇所は断熱性能が高い部分といえます。
一方で、電気盤の点検では赤い部分が「異常発熱」を意味し、冷たく映る青い部分は「正常動作」と判断されます。
このように、同じ色でも“何を撮っているか”で意味が異なる点に注意が必要です。

カラーパレットとは?用途に応じて選べる“温度の表現方法”

サーモグラフィーの「カラーパレット」とは、温度をどんな色で表すかを決める設定のことです。
メーカーや機種によって数種類から数十種類が用意されており、用途や見やすさに応じて選択できます。

代表的なカラーパレットを以下にまとめました。

カラーパレット名 特徴 向いている用途
レインボー 最も一般的。青→緑→黄→赤と滑らかに色が変化。温度変化を直感的に把握できる 建築・断熱・配管点検など全般
アイアン(Iron) 高温が白・中温が赤・低温が青で表現。コントラストが強く見やすい 電気設備・異常発熱の発見
グレー(モノクロ) 白黒の濃淡のみ。温度差を正確に比較できる 医療・研究・微小温度差の測定
アークティック / コールド 青を中心とした冷感表現。冷却性能や結露調査に最適 冷蔵設備・空調診断
ホットメタル 高温域を強調する赤~白系のグラデーション 高温炉・溶接・金属加工

たとえば「レインボー」は人間の感覚的に分かりやすく、初心者や現場作業向け。
一方「グレー」は色に惑わされず温度差を正確に判断できるため、医療・実験用途で重宝されます。

色分けを正しく読み取るためのコツ

サーモグラフィー画像を見ても、単純に「赤=熱い」「青=冷たい」と決めつけるのは危険です。
正確な判断には、相対温度・放射率・周囲環境を考慮する必要があります。

1. 色は“相対的”である

サーモグラフィーの色は、カメラ内で設定された「最高温度」「最低温度」を基準にして自動配色されます。
つまり、撮影環境が違えば同じ赤でも温度が異なるのです。

たとえば、屋外で撮影した建物と、室内で撮影した壁では、同じ赤でも「30℃」だったり「18℃」だったりします。
このため、画像を見る際には温度スケール(バー)を必ず確認しましょう。

2. 放射率を補正しないと誤差が出る

物体によって赤外線を放出しやすい度合い(放射率)が異なります。
たとえば金属やガラスは反射が多く、実際の温度よりも低く映ることがあります。

木材や塗装面のような高放射率素材なら正確な温度が得られますが、鏡面仕上げの金属は、周囲の映り込みで誤検知するケースもあります。
正確な測定を行うには、放射率を設定メニューで調整するか、もしくは反射を抑えるテープなどを貼って測る工夫が必要です。

3. 周囲環境(風・湿度・太陽光)の影響にも注意

風が強い場所では、熱が奪われて実際より低温に映ることがあります。
また、直射日光が当たると赤外線センサーが誤検出する場合もあります。

特に屋外撮影では、「朝・夕方」の時間帯に撮影することで、太陽光の影響を抑え、より正確なデータを得ることができます。

サーモグラフィー色分けの活用例

サーモグラフィーの色分けは、現場ごとに異なる“問題の見える化”に活用されています。

  • 建築現場:外壁や屋根の断熱性能を可視化し、熱が逃げる部分を赤色で特定。
  • 電気設備点検:分電盤やモーターの発熱を検知し、故障の前兆を発見。
  • 住宅トラブル調査:壁や天井の青い部分から漏水や結露を推定。
  • 医療・介護:人体の局所的な温度上昇を確認し、炎症・血流の異常を検知。
  • 夜間監視・防災:暗闇でも温度差によって人や動物を識別。

“色”を頼りに異常を見抜く技術は、今や安全・健康・省エネのあらゆる分野で欠かせません。

実際の現場で役立つ読み方の実例

例えば、住宅の断熱調査を行ったとき、外壁の一部だけが赤く映っていたとします。
それは「外気の熱が室内に伝わりやすい=断熱材が劣化している可能性」が高いサインです。

また、天井の一部が青く映る場合は、「雨漏りで湿っている」「冷気が滞留している」など、見た目では分からない問題を“温度の違い”で把握できます。
電気設備では、赤い部分がヒューズの発熱や端子の接触不良を示すこともあり、早期発見すれば重大なトラブルを防げます。

サーモグラフィーの色分けを理解すれば“温度が読める”

サーモグラフィーの色分けは、単なる映像の演出ではなく、赤外線から得た温度情報を「目で理解できる形」に変換したものです。

  • 高温=赤・白などの暖色
  • 低温=青・紫などの寒色
  • 表示は相対的で、環境によって変化する
  • カラーパレットの選び方で見え方が変わる

この基本を理解すれば、サーモグラフィーは“温度を測る機械”から、“状態を読む道具”へと変わります。
あなたがもし建築、電気、医療、防災の現場で「原因を見つけたい」と思うなら、サーモグラフィーの色分けを“正しく読む力”が、問題解決への最短ルートです。

関連記事