
アパートで雨漏りが起きる原因とは?見逃されがちな7つの要因と対処法を解説
アパートで発生する雨漏りの原因はひとつじゃない!複数の要因が絡むからこそ早期発見と対策が重要!
アパートで雨漏りが発生したとき、「屋根が壊れてるのかも」と考える方が多いかもしれません。
しかし実際には、雨漏りの原因は屋根だけにとどまらず、外壁・窓・配管・バルコニー・排水設備・施工不良など多岐にわたります。
しかも、ひとつの原因ではなく複数の劣化や不具合が重なって起こるケースも少なくありません。
本記事では、アパートで起こる雨漏りの主な原因を7つに分類して詳しく解説。入居者・管理会社・大家の立場それぞれで取るべき行動も紹介しながら、再発防止につながる知識をお届けします。
アパートの雨漏りで最も多い7つの原因|屋根・外壁・排水など構造全体にわたる不具合が影響
アパートの雨漏りは、建物の劣化・損傷・不具合によって発生します。
以下に主な7つの原因を整理しました。
どれも日常的には見えにくいため、気付いた時には深刻な被害になっていることもあります。
1. 屋根の劣化や破損:紫外線や風雨の影響で防水性能が落ちる
屋根は日々の紫外線・風雨・雪などの影響を受けて劣化していきます。
スレートや瓦、金属屋根など素材を問わず、長期間メンテナンスしていないとひび割れやズレ、塗膜の劣化が進み、防水性が低下します。
特にアパートでは屋根に上がって状態を確認しづらいため、劣化に気付かず雨漏りが起こるケースが多く見られます。
2. 外壁のヒビ割れやコーキングの劣化:目に見えない微細な隙間からも雨水は侵入する
外壁にできるヒビ割れ(クラック)や、サッシ・外壁の継ぎ目に充填されたコーキング材が劣化すると、そこから雨水が内部へ浸入します。
コーキングは10年前後で劣化するとされており、見た目では分かりにくいため定期点検が重要です。
防水塗装が色あせている、外壁表面にチョーキング(白い粉)が出ている場合は、防水性が弱くなっているサインといえます。
3. 窓・サッシ・ドアまわりの劣化:雨仕舞い(あまじまい)の施工が甘いと室内に水が入る
窓枠のコーキング切れやサッシの歪み、建付けのズレがあると、風を伴う雨の日に水が吹き込んできます。
また、防水シートやテープの施工不良がある場合、見た目に問題がなくても内部へ水がまわっていることも。
「サッシの下のクロスだけが剥がれてきた」「窓際だけカビが出る」といった症状は、雨水の侵入を疑うべきサインです。
4. ベランダやバルコニーの排水不良:排水口の詰まりや防水層の劣化に要注意
ベランダに水が溜まる場合は、排水ドレンの詰まりや防水層のひび割れ・膨れが原因です。
特に落ち葉やゴミが溜まりやすい構造だと、雨のたびに排水が追いつかず、あふれた水が室内に侵入します。
また、床面にあるモルタルやFRPなどの防水層が経年劣化していると、目に見えないひび割れから水が浸入するケースもあります。
5. 配管の破損や漏水:壁内・天井裏の配管から水がまわるケースも
給排水管の老朽化や施工不良、寒波による凍結破裂などが原因で、水が壁の中や天井裏を伝って流れ出すことがあります。
一見すると雨漏りのように見えますが、実際は配管からの漏水というパターンも少なくありません。
「雨が降っていないのに水が垂れてくる」といった場合は、まず配管の状態を疑ってみましょう。
6. 台風・豪雨などの自然災害:予測不能な外的要因により一気に浸水することも
近年では台風やゲリラ豪雨が増加傾向にあり、一度の大雨でアパートの一部が破損・変形し、そこから雨水が浸入するケースもあります。
防水処理が甘い箇所では、風を伴った強い雨により一気に浸水することも。
このような突発的な被害は、修理まで時間がかかることが多いため、応急処置や保険対応の準備も重要です。
7. 施工不良:新築でも油断できない!防水シートやコーキングの不備による雨漏り
防水処理の施工ミス、防水テープの貼り忘れ・浮き、サッシまわりのシーリングの打ち忘れなど、施工段階での不備が原因になるケースもあります。
見た目には問題がなくても、完成から1〜3年で雨漏りが発生する場合、施工不良が疑われます。
施工会社に問い合わせ、保証期間中であれば無償修理の対象になる可能性があります。
雨漏りを防ぐには?定期的なメンテナンスと入居者への注意喚起がポイント
雨漏りは一度発生してしまうと、完全修復までに時間もコストもかかります。
特にアパートのような集合住宅では、1件の雨漏りが周辺の部屋にも影響を及ぼすことがあるため、未然に防ぐ意識が重要です。
定期的な点検で「劣化のサイン」を早期発見する
・外壁や屋根、コーキング、ベランダの防水層などは10年を目安に点検を行うのが理想です。
・管理会社や大家は、計画的なメンテナンススケジュールを立てることで、長期的な建物維持に繋がります。
入居者にも「水回りの扱い」「排水口の掃除」などを周知する
・ベランダの排水口にゴミを溜めない
・換気をこまめに行って結露を防ぐ ・水道周りに異常があればすぐ報告する など、入居者が意識するだけでも雨漏りリスクは大きく下げられます。
まとめ|雨漏りの原因は多岐にわたるからこそ、定期点検と早期対応がカギ
アパートで雨漏りが発生する原因は、屋根や外壁、配管、窓、ベランダなどあらゆる箇所に存在します。
特に経年劣化や施工不良、自然災害は見た目に表れにくく、気づいた時には被害が拡大していることも少なくありません。
雨漏りを防ぐには、建物全体の定期点検と、住民・管理側の連携が何よりも重要です。
小さな異常でも放置せず、早めの対応を心がけることで、住まいの快適性と安全性を守ることができます。
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