
アパートで雨漏りが起こる本当の理由とは?原因別にわかる対処法と貸主の責任まで徹底解説
賃貸アパートで雨漏りが発生するのはなぜ?原因を知れば早期対策も可能
賃貸アパートで雨漏りが発生すると、住まいの快適性が損なわれるだけでなく、カビやシミなどの二次被害にもつながります。「なぜ雨漏りが起きるのか」を正しく理解することは、被害の拡大を防ぐ第一歩です。
実は雨漏りの原因は一つではなく、外壁や屋根の経年劣化、施工不良、設備トラブル、さらには自然災害など、さまざまな要素が絡んでいます。
本記事では、アパートで雨漏りが起きる主な原因とその背景、具体的な対処方法、貸主の修繕義務について詳しく解説します。
アパートで雨漏りが起きる主な理由7選|経年劣化から施工不良まで多角的に解説
一見キレイに見えるアパートでも、雨漏りは突如として発生することがあります。その背景には、建物そのものの構造や年数、施工の質、そして自然の影響などが関係しています。
1. 外壁や屋根のひび割れ・経年劣化
外壁や屋根は雨風や紫外線にさらされ続けるため、時間が経つにつれひび割れや塗装の剥がれが生じます。
特にモルタルやコンクリートの外壁は、微細なクラック(ひび)から徐々に雨水が浸入するリスクが高まります。
2. 雨樋の詰まりや劣化
雨樋に落ち葉やゴミが溜まって排水がうまくできないと、あふれた水が外壁を伝って侵入するケースがあります。
樹脂製の古い雨樋では、変形や破損が原因で水が漏れることも。
3. 窓枠・サッシ周りの劣化や施工不良
窓の縁にあるシーリング材(コーキング)が劣化すると、風雨時に水が侵入しやすくなります。
また、新築やリフォーム時に防水処理が不十分だと、窓枠やサッシから雨漏りが発生するリスクが高まります。
4. ベランダやバルコニーの防水層の劣化・施工ミス
ベランダやバルコニーの床面には、防水処理が施されていますが、年数が経つと亀裂や膨れが発生します。
特に排水ドレン(排水口)が詰まっていると、水があふれやすくなり、下階へ水が漏れる原因になります。
5. 配管・給排水設備の破損や老朽化
建物内部の給排水管が破損すると、水漏れが天井や壁を通して現れることがあります。特に集合住宅では、上階の住人の排水が原因で、下階の住戸に雨漏りのような症状が出ることも。
6. 天井裏の換気不足による結露・腐食
天井裏の換気が不十分だと湿気がこもり、結露が発生します。
これが木材や断熱材を腐食させ、水が滴る「雨漏りのような現象」を引き起こすこともあります。特に冬季や梅雨時は要注意です。
7. 台風・豪雨・地震などの自然災害による損傷
台風や集中豪雨、地震によって屋根瓦がずれたり、外壁にヒビが入ったりすると、そこから雨水が侵入します。
こうしたケースでは、突然の雨漏りが起こるため、対応が遅れると被害が拡大しがちです。
雨漏りを放置するとどうなる?生活・健康・費用面での重大なリスクに要注意
「雨漏りは小さなトラブル」と甘く見ていると、さまざまなリスクが降りかかります。放置すればするほど被害は広がり、住環境の悪化だけでなく、修繕費の増大にもつながります。
カビや湿気による健康被害
湿気がこもるとカビが発生しやすくなり、アレルギーやぜんそくの原因にもなります。特に小さな子どもや高齢者がいる家庭では、健康被害のリスクが高まります。
家電や家具への二次被害
水が床や家具に落ち続けると、木材の腐食や家電製品の故障を引き起こします。気づかず放置していた場合、高額な修理・買い替え費用が発生することもあります。
退去時にトラブルになる可能性も
借主が雨漏りに気づいていながら放置した場合、「適切に管理していなかった」と判断されることも。
退去時の原状回復費用をめぐって貸主とトラブルになるケースもあるため、早期対応が不可欠です。
賃貸アパートで雨漏りが起きたときの正しい対処法と貸主の法的責任
賃貸物件において、建物の不具合による雨漏りは基本的に貸主(大家)の責任です。借主としては、適切に対応し、証拠を残しておくことが重要です。
雨漏りを発見したらすぐに大家や管理会社へ連絡
口頭だけでなく、メールや書面で連絡を取りましょう。
状況を撮影した写真を添えると、対応がスムーズになります。
貸主には修繕義務がある(民法第606条)
民法606条1項では、貸主は「使用収益に足る状態を維持する義務」があると定められています。
つまり、雨漏りのない状態で住まいを提供する義務があるということです。
修繕されない場合は、家賃減額や契約解除も視野に
貸主が修繕義務を怠っている場合、借主は民法611条に基づき、家賃の減額や契約解除を請求できることもあります。
特に7日以上部屋の一部が使えない場合には、減額が認められる可能性が高くなります。
まとめ|アパートの雨漏りは早期発見と冷静な対応で被害を最小限に
アパートで発生する雨漏りの原因はさまざまで、建物の老朽化や施工ミス、自然災害などが複雑に絡み合っています。放置すれば生活の質が大きく損なわれ、金銭的な負担も増してしまいます。
雨漏りを見つけたらすぐに記録を取り、貸主や管理会社へ連絡しましょう。
民法によって修繕義務が定められているため、安心して対応を依頼できます。
早めの対応が、安心・安全な暮らしを守る鍵です。
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